史跡を巡る ‥?/アラガイs
 

)春を待つ
小山より寒管(かんすげ)の穂なびく(海に臨めば
突然/寝返りをうつ、竜頭の背骨/割れ
千年と仕えた瘤が、沈む
底浅と跋扈する(海
海は鉛色の羊水に姿を変えた(波
(波は、巨大な溶膜が岸を包み(浚う
(あんぐり)と、すべてを呑み込んだ竜舌
////砕け散る垂直の舳先/泥に沈み
(渡る(風に
カモメが鱗片を運ぶ
(魚が消えた日)

あれは
「白い額縁のなか
流れつく御神手綱/巻き付いた数珠の蔓/茜/染まる沖は蕪木の/池に埋まる確かな記憶の/痕跡」
揮発する手は瓦礫に、ひらから、と、
溶けてゆく牡丹(雪
雪、それはあたたかな部屋で見た/非常
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