イメージできるかい?/はるな
きみをここまで運んだ。
むろんきみはここまでものすごく苦しんだし、それはたぶん、普通であったら体験しなくていい類の苦しみだ。でもこれだけは言えるけれど、きみの中身は現実として踏み荒らされたこともあったが、そうでなくても、きみがここにくるまでにはそれ相応の苦しみはあったはずだろう。
あれから、永遠のような一瞬が経ち、きみはいままったく違った場所にたっている。
どの時期にいたのとも、まったく違った場所に立っている。
イメージできるかい?
いまはイメージできるはずだ。イメージできないということを、その喜びと恐ろしさを、きみはイメージすることができるだろう。
きみはいくつものものものを手に
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