思い出/
半分
思い出は、捕まえようとすると逃げてしまう、引いていく波のよう
思い出は、知らないうちにすぐそばに来ている、押し寄せる波のよう
誰のものか分からない
いくつもの砂浜に残された足跡
私と海と砂浜を風が撫ぜるから
ぜんぶ風の足跡ということにしておく
今も遠くで吹いている、一度きりの風が
細波を立てる
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