3月の即興/橘あまね
 
きれぎれにひびく
朝のアリスたちの
黄色い声
春のおとずれの
こましゃくれた祝祭

空、あおいね
雲、とんでいった
飛行機も、たくさんとんでいった
海、ないでいたのに

大きく吸い込んだ息
ふくらみきった肺に
いくつかの祈りを封じて
吐き出すまでの刹那
訪れる色が

とびたい
とんでいきたい
とんで
いきたい
いきたい


空へふきあげる
土からつきあげる
この季節をつくる
すべての部品から徴収した
炎をあつめて
道標にする


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