十日めの思い/砂木
飛行機が頭上を飛んで行く
被災地へ向けたものなのだろう
カタカタと揺れる余震が十日たっても続く
少しくらいでは慣れて逃げなくなってしまった
今年は大雪で 果樹 建物 いろんなものが倒れ
三月の末というのに まだ家が雪で埋もれている
それでも 津波と原発の被害を前にして何も言えない
いつもなら雪が目に見えて消え 雪が残っていても
田んぼの苗を作る場所などは 除雪機で消せるのだけれど
ガソリンや灯油を手に入れるのが大変で使えない
苗を作るハウスをいつ建てられるのだろう
放射能がもしここまで流れてきたら 農業は全滅
外国にも売れないだろう 汚染された国のものなど
なにひとつ
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