覚え書き/Giton
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数の世界はその抽象にこそあるのです
具体をいかに豊富に積み込んだ抽象
を構成するかが数を究める者の課題
ここに数とは宇宙を開示する抽象のすべてをいう
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それならば詩とは数なのか――しかり詩は数の
ひとつ;抽象の方法を異にするものに過ぎません
理解の方法が異なる検証の手段が異なる
しかしともに世界の開示へと向かうもの
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数は詩をともなってこそ行く手を知り
詩は数を知ってこそ見透しを得るもの
詩は遠い目であり数は翼
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数は詩を侮れば盲目の徒労
詩は数解せねば空(くう)仰ぐのみ
羽ばたくということがない
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