3月/番田 
 
流させられた
行こうとする場所など 少年だった 私は 何も思いあたりはしなかった
この震災が意味したものなど きっと 何もありはしないのだろう


きっと 私は真っ直ぐな目をしていた
そして 私が向かえる場所など どこにもなかった


入社したばかりの頃の 自分が とても懐かしい
夢中になって取り組んだ仕事など すでに 放り出してしまった
気がつくと 私はひとり 街を出た


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