黒船/salco
 
ムが鳴った。

 ドアを開けるとビジネススーツの若い白人が二人、六月の炎暑に文字
通り紅顔で立っている。めんくらっている私にコニチワと挨拶するので、
「こんにちは」
 と応じると、日本語を解さぬ様子でハウアーユーと返され、ファイン
サンキューのやり取りの後やっと、××サンは在宅かと言われて思い当
たった。
 逆縁に遭い夫婦で教会通いをしていた時期があり、最近は更年期クラ
イシスの従兄が或る教団員の訪問を受けてレクチャーに感化されたのだ
が、月収の一割納付にびびって断りを入れた。その後も不定期的に訪ね
て来ると、いつか電話で聞いていた。
「とってもいい人達なんだけどねぇー」
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