洗ってない詩人の臭いがするんだよ/虹村 凌
 
俺のジーンズとあんたのスカートがベッドの下で絡まる事は無い
それはロフトに敷いた布団であっても同じだ
ロフトの下の冷たい床の上で僕らの服は絡まったりしない
でも最後に絡まった俺のセブンスターズとあんたの金色のマルボロの煙は
何年前の事だったか覚えていないけど
下北沢の薄暗い喫茶店だったのは

こっちを向けよ
外が晴れていようが雨だろうが
暖かい日差しの太くて柔らかい匂いも
雨に濡れたアスファルトの細長い匂いも邪魔だ
俺とあんたの匂いに泳いで溺れて沈んでから浮かんでいきたい
だからあんたが見せてくれた夢の片鱗くらい楽しませてくれよ
ほら外は世界だぜ
あんたは可愛いんだぜ
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