言二葉 / ****'04/小野 一縷
 

わたくしは 一人 です。
あなたは 何人ですか?
わたくしは この暗い 泥の中
雪空の 厳しさと 
暖かい 誰かを 想って います。
ただ わたくしは もう 長い間 此処に 居て
余りに 永く 居すぎて
どちらが 沼面 なのか もう
分からないのです。
わたくしは 長い間 この沼の中を 
ただ 浮遊しているだけの

想い 

そのもの なのです。









この詩を読んでくれて ありがとう。
ぼくは 二月の 雪の多い日に 生まれました。
もう誕生日に 喜びを感じなくなって 随分経ちます。

今夜も ぼくは暗い沼の中 降りしきる雪の下 
眠れぬ夜を 過ごすのです。
ぼくは一人ですが そんな自分の為でなく 
あなたの為に 伝える言葉があります。

「おやすみなさい」 

ぼくの大好きな 言葉の 一つです。

「おやすみなさい」


ありがとう。 

お互いに  いい夢を。






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