地雷原/ダーザイン
風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら
遠い異国の丘の上では
子らが地雷に石を投げる
暗黒舞踏舞う崩壊者の
無の七色の
激しく燃える言葉のかけら
拾い集めて
草
草
切れ切れに
野を分けていく炎
丘から丘へ
どこまでも土埃の立つ白い道を行けば
荒れ野の果てには水晶の森
踏み後をたどり
どこまでも深く分け入ると
道の途切れる所
禁止空間の表示
道ばたには
真紅の柘榴石が灯っている
億年の歳月を経ても
路傍に光る
存在しない子供たちの
空を流れていく子供たちの
まなこに煌く
スターバトマーテル
風の強い夕べだった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの街を眺めた
地平線には
原子炉を思わせる巨大な穴が口を開け
世界は激しく炎上している
赤光の中
子供たちの長い影が屋上に焼き付いて
世の終わりのロンドを舞う天使は
逆光をにない
黄金色に輝いている
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