ドーラン/
番田
ながらも、あの頃の僕は就職活動に対して無我夢中だった。希望を抱いていたわけではない。何かがあるたびに宗教に走ろうとする我々にとって確実ではないのは、金の輝きだけなのであろう。偽善と汚い汗にまみれたよだれによって包まれているのが、この世の中だった。そうして、そのことに気づくことができずに私たちはその洗礼を受けているのである。そのことを忘れたと言うことすら見失っては生きていた。きっと不幸せな男なのであろう。どうかそのことに気づいて欲しいものである。
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