メモリー/番田 
 
今日も秋葉原に立っていた
いつだって ひとりだった 私は
すべてを 情報の中で駆けめぐらされた
他愛の無いことを いつも 考えていた
ただの ちっぽけな 存在だった 


一体そこで何をすればいいのだろう
今日も 動乱の中の 街だった
分断された交通網の中で
しゃがみこんでは居場所を探した


何を口にすればいいのか
語るべき言葉などそこにはなかった
ひとりでどこに行けばいいのだろう
自分であろうとするための何かを買いに行くわけでもない


今日も するべきことなど何も見つからなかった
見ていることは 楽しいものだ


平和とは何なのだろう
自作パソコンのパーツを買おうとしては
歩いていくということだけが確かだった


陽光の中に存在したものとは何だろう
買い物を人に頼まれたわけでもない


どんな私であろうとすればいいのだろう
今日も 誰とも会っていない時に
理想とする 自分を ぼやけたプールサイドに見つめていた




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