線と点/高慢にも/Oz
彼の手が
差し出され
その山は崩されたという
僕は君の
小指を掴んで離さなかった
小指だけが
手元に残った
そんな無力さを
誇れる気にはなれない
高慢にも
僕は彼を呪う
高慢にも
僕は彼を恨む
遠い時の彼方から
彼はいつだって
嫌われものだ
そう、
僕も彼が嫌い
たくさんの世界が
君を押し潰す
僕は小指を強く握る
体は血だらけだ
君の血だ
揺れる大気
粒羅な光り
掠れる目
簡単に世界は終わりはしない
だが、
簡単に移ろう
肉体は磨耗し
精神は衰弱する
弱い僕らは
強引な愛を求め
さ迷う
愛が点ならば
僕らは線だ
形を為すのは
目の前の世界とは違う
彼と僕らは違う
ただ
願う事なら
彼にも愛を。
幻の大地
幻の草
麗しの花
崩壊の合図で
君は終わる
僕が立ち上がる事は
もう無いだろう
それでも愛を
それでも愛を
それでも愛を。
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