マリー/ホロウ・シカエルボク
 

長袖の服で隠して
調子の外れたハミングは
いつでも古いシャンソンをたどって
彼女はマリーと呼ばれていた
マリアンヌみたいなコートを
いつも着ているせいだった



そうして彼女は
本当に影になった
陽の当らない地下室の
「法廷」という名のバーの
カウンターの奥から二番目
薄暗いライトを
なおかつ避けたような
その場所で





洒落た蝋燭みたいな影に







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