雪のなかの言葉/吉岡ペペロ
 
文学や報道が

対話や歴史が

この国をこの世界を

果たしてどこに導いたのか

言葉は無力か

雪が青い夕暮れ

見飽きた景色

それを揺らしている

移動している

寒い

冷たい

痛い

腹がへる

言葉に励まされたり

言葉に傷つけられたり

希望や失望を

隣人や最愛に与えてゆく

言葉は力か

言葉が惰性で捕らえてゆくのは

意味以前のシステムのみだ





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