【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
き、エイとヤーの間に、それぞれのハミルの声で中黒的一瞬をおかずには居られないでしょう。その真剣さ/間抜けさといったら。ここは、本当に、耳の良さだけではなく、それをどのように表記するかを含めた、もう総合的なインスピレーションが閃く、あるいは、長考ののち現れたものでありましょうか。音楽だけではだめ、それをどう読む者に再生させるか、まで含めたなにかが、ここにあるわけです。
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駅構内に戻ると、ハミルのおかあはコインロッカーの前に居ました。すごすごと
プラダのバッグから皺々になった布きれを取り出して、そこに財布やらハンカチや
らを移し替えていました。そしてその脹らんだ布きれを腰に巻き附けまし
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