【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
。世界は狭い車内から遠く飛んで、「たにん」のことを「ひとさま」と呼び、近づくまいとしているよう、という、「よう」って比喩にされても喩えのほうにむしろ親しみがないさが素敵じゃないでしょうか。ここは唐突で素敵です。そしてとつぜんおかあがいて、なぜか闘牛士ですね。しかもここはどう考えてもスペインではないことに、駅の入り口です。スペインの駅かもしれないじゃないか、というあなたは、
{引用=
血が染みても洗わなくて済むほどの真っ赤な布にハミルのおかあはくるみこまれ
ています。周囲を見渡したところ、ファッションというわけではなさそうですか
ら、やっぱり彼は闘牛士のようです。よくよく見ると腰にサーベルも
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