アイスコーヒー/関口 ベティ
 
浮かばぬ青果と夏の泳法
コバルトに震える切っ先
きうりと遊星は綺羅映えるまま
小焦れた炎天 息を詰めて窓辺の鍍金を密になぞれば
(広角)

指の白さは詰るように汗ばんで
煮えきらない叱咤
いずれ過ぎ行く人の熱も露に

閃く水滴に帯びた君と 銀のタブロオ
新版雑誌を頬に
並外れた怠み 31日目の告白を
西陽にひとり 聞いている

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