壁」「新開地から/アラガイs
 

)夕暮れの埋め立て地には工場が立ち並び
渋銀色に改装されたフォルム
いつのまにか潮の匂いは消えていた
聞きなれない」庭のブロックが悲鳴に聞こえるのは
蹴り返している少年のボールがあまりに硬かったから
「苛ついている
壁を置き去りにしたまま

そこは
海風にいつも空気が抜けていた
的は垂直のダイヤモンドベース
投げつける(むにゃむにゃ)のゴムボールはぶつけても平気だった
皮の剥げたサッカーボール
―土埃―平面の跡
薄汚れた底厚い壁は「ガガ」覗けば、あかい藻はどこにでもあったような気がして
(受けとめてやれない
わたしがここにいる
)。

遠く
/潜
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