誕生と死後硬直(スピード)/ホロウ・シカエルボク
 
だ、だから、おれはもう走れないと思ったことがない、もう走れないと思って、手近なテープを切ってレースから降りることを考えたことがない、そんなことを考えているうちにも、死と再生は果てしなく繰り返されているのだ、おれは自分の仕事に誇りを持ち、そして喜びを感じている馬車馬のように鼻息を荒くし、地面を強く蹴ってチューブの中を走る、チューブの、複雑な構成の内壁の中からいくつもの声が聞こえる、それが生命だ、それが生命だ、それが生命だ、それが生命だ!おれはその声をリフレインする、叫ぶ、その叫びはおれの魂をさらに加速させる、おれはチューブの中を疾走する、それが生命だと叫びながら、生命、生命、生命、生命、数え切れない
[次のページ]
戻る   Point(2)