誕生と死後硬直(スピード)/ホロウ・シカエルボク
営みの中で、果たしてそれを見ることが出来るだろうか、おれは追いかけなければならない、おれの手の中でいくつものものが零れ落ちて行く、いくつものものが生まれて行く、いくつものものが残り、いくつものものが忘れられてゆく、そうだ…おれはあらゆるものを拾うことをやめた、あらゆるものを抱えるのをやめた、零れ落ちてゆくものたちが残すものについて考えることをやめた、すべて見える、すべて感じる、すべて知ることが出来る、すべてを覚え、そして忘れることが出来る、それはいくつもの誕生と死後硬直と同じように行われればいい、そしておれは走り続けていればいい、おれはただおれのままで、あるものをあるように受け止めて行くことだけを考えればいい、すべてのものがおれに触れて形を変えてゆく、おれはその中で、その変化と同じように存在している…
それが、スピードなんだ!
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