【批評祭参加作品】詩を特別だと思ってる人たちへ/相田 九龍
 
【無為自然】

 最近、写真を撮ったり絵を描いたりする。日頃からよく風景を眺め、虫や鳥や野生動物や雨や雲を注意深く観察したりして、クソ田舎で無為自然な生活を送っている。
 そういう無為自然の視点から詩という表現を眺めると、詩が読まれないからと卑屈になったりすることがとてもバカらしく感じられる。詩という表現形態は特性こそあれ、写真や絵や書と何も変わりがないんじゃないだろうか。ひとつの文化として、人口に膾炙されているかどうかで卑屈になることも驕ることも全く無用なことで、優劣なんて人間が勝手に作っただけで大した問題じゃないし、大事なことは何を伝えたいのかとどう伝わるかだけであって形態なんか何も重要
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