暗い道端で/
砂木
道を一本間違えると
とんでもない通りにでるから 間違えないようにと
田舎者に親切に教えてくれていたのに
言われている意味も危険もわかっていなかった
あの男 あれからどうしたのか
歓楽街で適当に遊んで
通りすがりに声をかけた女の事など
いちいち覚えていないだろう
口に出して言ってしまえば
なんだそれくらいの事でと思われるが
寮の部屋でロッカーの扉につかまって
ぶざまに震えていた 世慣れない
田舎女がまだ 憎んでいる
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