夜に遊ぶ/木屋 亞万
 
木馬が回転する荒野
芝生の丈は坊やの前髪
風が吹いても揺れやしない
朝の光を忘れた頃に
夕暮れ、赤い日が落ちる
白いタテガミ、回転木馬、揺れぬ緑の草の上

空から降るのは億千の星の粒とか
彗星の砕けた足跡なのだとか
月の夜道も暗くない
キラキラ輝く石の散る道
お菓子の家はまだ遠い
甘い匂いの雲の群れ
月に絡まる黒い綿菓子

髪が桃色の女の子
歩くとサラサラ揺れている
桃の匂いか桜の花か
梅が咲くように冷たい目をして
肉と思えぬなめらかな頬
白さは月を越えている

青い瞳の男の子
今日も海からやってくる
空から落ちたか
海から湧いたか
澄んだブルー
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