深層/天野茂典
 
だった 少年が詩を書いている

日本人だけ静かだった 少年が詩を書いている

舞台裏では少女たちが笑っていた

脱ぐことは簡単なんだ 脱がせかたなどどうでもいい

からだをいかにデザインするか

そのことが問題なんだ 少年は

詩の一行一行を消していった

残るものはなんにもなかった

詩、それが少年の深層だった



                     2004・11・03





  
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