ぎっくり腰/……とある蛙
 
それは突然舞い降りてきた
何の前触れもなく歌もなく
楽しさの全てを食い尽くすため、
僕の身体に入り込んだ。
それは少しの疼痛で
全て揃った腰のパーツの
どこかにスーッと入り込み
きっとどこかを食い荒らしたのだ。

寝ているときはそうでもないが、
起きるに起きられず、座るに座れず
立ち上がろうとしても
どこか腰のパーツの欠落感
痛みが走り身体が固まり
歌舞伎役者じゃあるまいに
誰見るわけもなく見得を切る。

そのまま座るわけでもなく
向きを変えて両手つき
ごろんと横になっていても
起きる辛さを考えて
少し半身でテレビ見る。
見ているテレビが漫才で
思わず
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