影/花形新次
 
柔らかな
君の輪郭に
そっと 手を添え
抱き寄せる

君は 両手を
空中に 投げ出し
僕では
ない 何かに
身を委ねる

乾いた 埃っぽい
アスファルトに
二つの影が
しっとりと 交わる


愛しい 
愛しい けれど
僕らは 互いの体温を 
感じることは ない 
きっと 永遠に

そして
そのほうが いい
いいに 決まっている
戻る   Point(1)