今日、歩道橋と、かつて…/ブライアン
却。
忘れ去らなければ、形は生まれない。
汝、触れるなかれ。
触れた瞬間、それは思い描いたものではない。
夜明けだ。
電車はもう満員だ。
働くのだ。美の直感を失ったとしても。
夜明けだ。全てを透過する美しい視界が
夜明けの一瞬だけ存在したとしても、
働くのだ。不透明性の世界で。
霧雨はもうあがっている。
歩道橋の下には、汚れたゴミ袋が積みあがっている。
ウイスキーのビンが粉々に割れている。
ガラスの破片が反射してまぶしい。
細切れの世界。
間と間をつなぐもの。
忘却。ゴミ袋の中。
漏れている液。触れ合う接点で、
硬直する。今、が捨てられていく
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