歩道橋についての夕方と朝方/ブライアン
本の風景、のような。忘却は延長する。言葉によって、映像によって。どこか遠くのの民族で、人は二つの死を持っているという。一つは生命の死。もう一つは記憶の死。二つの死が訪れた時、人にはようやく真の死が訪れるのだ、と。
テクノロジーの発達によって、死は延長され続けていく。もはや死は訪れないのかもしれない。死は半永久的に留保させられる。
そうか、生きたいのか。出来る限り。存在が忘却へと押し込められたとしても、なお。結局は、忘却の中から救い出そうとしていたに過ぎない。言葉は延命処置なのだ。
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