僕の人生/敬語
 

微かに霞む過去。
神に星に短冊にと、何にでも願った過去の僕。
そのくせ現実を全く見ず、奇跡を信じ続けた過去の僕。
嗚呼。僕の人生は、まだ始まってすらもいなかった。

慌ただしい現在。
夢を叶えるには努力が必要だと知り、必死に頑張る今の僕。
だがそのうちに、努力ではどうにもならない壁があることを知る今の僕。
嗚呼。僕の人生は、ようやくスタート地点にたどり着いたばかり。

何も見えない未来。
願うことも努力することも止め全てを諦めようとしたが、それでも夢だけは諦め切れなかった未来の僕。
だから必死に壁の壊し方を模索し、命懸けで夢に向かってもがこうとする未来の僕。
嗚呼。僕の人生は、ここから始まるのだ。

しかし、始まらずに終わる人生もあれば、始まっても夢半ばで終わる人生もある。
矛盾だらけの世界で、夢を見失うこともある。
僕と僕の夢が不協和音を奏でるときもある。

だけど、それも人生で、それが人生なのだ。
それこそが人生で、そのための人生なのだ。

だからこそ人生は、心底楽しい。



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