影/こしごえ
 

波紋はゆれて ゆれて
予測不能な運命を
進む 影無き影
私は誰か、と問えば
うしなわれてしまう
鏡を割る、時間

入り組んだ小道を
冷たい月影は照らす
冷えた小道に落ちる
   空の闇に銀糸の道化
   はようねむれむかえにくるぞ
白目むきいそぎなさるな、とそよぐすすき
みわけみつけられず(己の影とも夜の闇とも
あきらめよう、としたとたん
ひらきはじめた扉重く 重くきしむ
影独り くぐり





















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