まひるのりんかく/たりぽん(大理 奔)
かげは私の輪郭。
誰にも消すことのできないそのままの立像
踏みつけても投げ出しても
この世に私を縫い付ける、私だけの投影
たとえば、あなたのかげが重なって
ふたりという輪郭をこの世に縫い付けようとしても
重なりきれないかげの濃淡が
そのままフラクタルな明日や明後日に
むなしい言葉を生み出すだけなのです
だからかげのない暗闇で
私たちは重なるのですね
凍える指で
眠りたい、と私はあなたに返信します
埋もれてしまいたいのだと雲に願います
うずくまる防砂林
まっくろな防砂林
うすあかるい真昼に
ぼんやりとした輪郭すら埋め尽くせない雪
不機嫌に、ごおおと波のように唸って、
沖にむかうランプ漁船が
影踏みする子供のように
見えたり隠れたりしているのです
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