かぐや指/salco
もなく連綿
と現在へ続いて来た、深く自分にこびりついていながら雲散霧消してし
まった、人生そのものに対する憎悪なのでした。
自分が望んだわけでもないしょっぱい乳首をあてがわれて以来、不運
と生活苦以外は何一つ今生から与えられはしなかったという感慨が、年
だけは十全に食った身体に吹き荒びます。まことにそれは制約に見合う
渇望だらけの、飛躍だけはさっぱりな時空でした。
何が報われるわけでもない生活が余りに長期化してしまうと、いつし
か夢や希望などという些末な玩具を、人は頭から放り出してしまいま
す。しかしひび割れた荒れ地に過ぎない現実に一輪の花を見ようとす
る、馬鹿げたフィ
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