マラソンの日の女/はだいろ
あれは、労働ですらない。
ただ、お金をもらう口実、アリバイにすぎない。
ような気がする。
だけど、それは、すごく、恵まれているほうなのも、確かだろう。
現実は厳しい。
そして恐ろしい。
容赦がない。
容赦がなさすぎる。
どうして、そうなるのだろう?
答えは愛。
愛でしかない。
だれもがそう言った。
それを、目の前で、ぼくのちんぽこを頬張っている、
19歳の女の子に、
ぼくは説明できない。
ああ、説明が、できない。
それは、愛なんだよ。
愛なのに。
あれから、職場の隣の席の女の人とは、
メールをしていない。
職場では、隣なのだけど。
3月の終わりで、退職すると、聞いた。
ぼくは、
彼女を、愛せるのだろうか。
彼女を愛することで、
世界を変えてゆけるのだろうか。
目標を立てて、クリアーしたら、それが、なんだっていうんだ。
ほんとうのことって、いったいどこにあるんだろう。
マラソンを走りきったら、なんだっていうんだ。
それが、なんだっていうんだ。
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