なにかしらの/番田 
 



私は何となく寂しい
食べ物を探した


セリフを忘れた
夢だったのかもしれない


今すぐ夏になればいいのにと
スイッチを 押し込んだ


何となく悲しかった
これはどこの国の言葉だろう


ノイズが回りを取り巻いている
ラジオが何となく流れているのかもしれない



買ったばかりのマンガをめくった
家族も恋人すらいなかった
釣り竿だけが トランクにはあった
名前も忘れた 誰かが 好きだった
鈍く光る長い鉄の棒の先かもしれない
銀色の風景だけが眩しいだけだ


それとも 電信柱なのか
生きていくのは大変なのかもしれなかった
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