おかあさんへ/朧月
おかあさん誕生日おめでとう
不思議なことにこの言葉を
面と向かって言った記憶がない
おかあさんが生まれた日を
祝った記憶がない
おかあさんはいちごがすきと
知っていたけど買えなかった頃
こづかいの範囲で買えた
ハンカチをみて言った
おかあさんはいちごがすきなのに
のあなたの口元だけを思い出す
嫌味にきこえる言い方を
してしまう(のだと思いたい)おかあさんの
娘に生まれたこと後悔してないよ
おかあさんはおかあさんの
人生歩んでると 思える歳になったよ
おかあさんは感じてないだろうけど
おかあさんにお願いです
私より早く死なないで
私やっぱり おかあさんの跡を継ぎたくないの
おかあさんの完結した
世界を応援してるよ
だけど私は私の
明日を生きていきたいの
おかあさんおめでとう
これからも私たち
薄まらない距離でいようね
戻る 編 削 Point(2)