今はもう、いない/番田 
 

日差しのない日に どんなことをするべきなのか
私自身の体は 言葉も無くしている
見ていたのだろう 風の流れる様子を
人は ただ そこに流れているだけだった
色々な色の車を 見た
私は 涙を 流していた
どんな暗い 夜の中でも
自分を語ることもなかった
私は そこで 微笑んだ


何もかもが 流れていく
どこに行くのかと 私は思っていた
人間がどんどん 辞めていくのかもしれない
そんな職場で 思いを繋いだ


給料袋を握りしめた
死なないための手段だったとはいえ
私は 流れていくしかないのであろう
なんとなく そんな気がした
バーゲンセールの黄色い看板を
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