とうえい (幻肢の砦たち)/乾 加津也
 

いきる
燃えさし
あがってくると

            ( こころは バイパス
爛れた
くちびる
あてがいながら
眼窩(すかいらいと)
から
入水

            ( 覚束なさでも うふふ
ひよわで うぶな
キト だけど
ひっそりはないでしょう

            ( はずかし山羊さん角かくし
相似あいまみえ盥におぼれ
ゆうびん屋
ちぎりちぎ/りる

            ( いいいいえ いいいなおり

              まなこ
              澄んでゆきましょう
              どんどんきえてしこりましょう
              ちからの癲癇ぶぶぶ それ
              /におい から と は
              もう
              不

            ( うつ和 おおきに
              汐なび 枷
ひらくが歩くを
泣くんだよ
たかったつくりに
いくんだよ



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