僕ら/
吉岡ペペロ
僕らの回りにモノは、過剰になければならない。
そうでなければ高すぎて、中古の2LDKでさえ買えない。
供給過剰ぎみでなければ、僕らは豊かさをあじわうことができない。
モノが過剰にあるということは、モノ側からすれば儲けが薄いということだ。
僕らが豊かさを味わえる世の中とは、儲けの薄い世の中のことだ。
儲けの薄い世の中では、ますます僕らという存在が増えてしまう。
僕らとはだれのことなのだろう?
可処分所得いくらくらいのひとまでが、僕らなのだろう?
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