再生/影法師
白い街に灰が積り
君の姿を見失ってしまった
壊れた棚の中にある
透明な器に君が映り
追いかけても追いかけても
君には追いつけない
息を切らせて顔をあげると
鏡に映った君が笑い
「もう来ないで」と
冷たい言葉を吐いて消えてしまった
街の真ん中に倒れ込む僕の体に
灰達は笑いながら積りに積って
僕は目を閉じる
闇の中に入る
目を開けると
いつもの汚い街に帰り
汚い街は白い雪に埋もれ
知らない世界になっていた
そういえば
今日で君がいなくなって1年だね
君に会いたいよ
そう思い
真っ赤な腕を見て
僕は雪の中に体を埋める
目を覚ますと
白い街に灰が積っていた
僕はまた君を探し始める
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