ミツバチのアルツハイマー/和田カマリ
いだろうが
僕は証明したかったんだ
飽きるまで抱っこして
どんな地獄も好きなタイプの女となら
それもまた随分楽しいよって事を
だけど悲しいかな
実現できないんだ
声をかけたところで
悲しい結果になるに決まっている
ああ腹が立つ
俺は突っ込むことにした
右足に力を入れて
ベタ踏みでフンフンっと
俺のものにならないのなら
殺してやる!
その時視界に
環 状 線と書かれた
案内板が飛び込んできた
やはり意味フだったが
電撃的にもうこれ以上
行き先を悩む必要が
なくなる予感がした
僕はグルグル
グルグルと
鼻歌を口ずさみながら
案内板の矢印に従い
スロープを駆け登って行った
流れに合流した俺のする事は一つ
すいすいすいすい回遊魚のように
命が尽きるまで廻ってればいいのさ
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