雀/カズヤ
 
梅雨の終わりの雨が降る
ある日の朝

家の二階のこの僕の部屋の窓から見える電線に

雀が、一羽、停まって居た…。

その一羽の雀は
土砂降りの雨で

頗る、ずぶ濡れになって
酷く、冷たそうだったが

それでも、その一羽の雀は

全身を、激しく、震わせて
両翼を、鋭く、打ち捲って

雨雲に覆われた
薄暗い空へと

飛び立っていった…。
戻る   Point(1)