ガヨウシ/番田
何もない体は
見えなくなった 誰かだ
そして私は一体誰だ
ああ 今日も 何をしていたのだろう
絵も 見えない
そのことだけは 理解した
絵の中の私は
きっと誰もいない景色の中だ
言葉にすることはない
夜の中で 信じた
私は哲学者なのかもしれない
だから 私は 悩まず 歩こう
自分ではなかった
そして私は誰でもなかった
私は 何も わからない
ああ 今日も 思いの中だ
*
眠りに落ちていく
もう帰ることのない時を
戻ることはない
私は 闇を 見つめている
心を 忘れた
風を 放った
人ではなくなった 世界を
そうして 私は 考える
夜の 彼方で
描いた 時の 彼方には
私の手にした色たちの
形のすべてが輝きだした
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