アンプリファー/ジャンプアップ/nm6
ストーブが話す、「赤はすべて夕焼けなんだ」と。世界がドーナツのようでぼくは嘘をついた。「きみは笑っているようにみえるよ」。ストーブの彼、嬉しそうだ。雨の音、の、記憶。たとえば階段をのぼればきみがいない当然を、風のようにカーニバルで踊らす。午前3時の、逃げ続ける場合分け。些細な仕草が気になりはじめれば、はじまる、はじまるアンプリファー。
ぼくは蟻の巣の中で、「土がエネルギーのすべてなんだ」と。安心しないきみを目の前に言おう、「きみは笑っているようにみえるよ」。異星から威勢よくやってきた、限りない模倣。雨の音、の、記憶。どこから書き始めればいいのか分からないけれど、小説を書こうと思ったんだ。
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