崖は見えている/竜門勇気
誰かがさみしいと
しゃべって僕が聞く
体はこんなに生きたがってる
心は笑って首を吊る
散々詰め込まれて
伸ばされた個性ってのは
ひっつかまれて
地面に叩きつけられるために
あるものだったね
都合よく振り返る偉大な人たちに
振り回されるためにある
途方もなく短い鎖だったね
みんながさみしいと
言うので僕も言う
当たり前に普通の違和感
顔は笑う 頭は転げ落ちてどこかへ行ってしまう
落ち続けると思ってしまう
どの選択肢もエンディングへ続くのさ
その先は なにもない
なにもない
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