故 中川路良和 詩作品より/
まどろむ海月
た
その漠とした時の流れ
(どうしてこんな大事なものを忘れていたのだろうか)
ぼうぼうとした野の原に
はえそめた緑の草をちぎると
サラ サラと時をこえて
砂つぶが風に吹かれてゆく
その緑の悲しみ
僕は青色い空間に
やすらぎを求めようとしたのか
赤いレンガのへいに
もたれながら
その漠とした時の流れ
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