生じるゼロ/ホロウ・シカエルボク
 
オレを惑わせたりすることはない
温度差が酷過ぎるんだ、オレは新しいフレーズをモニターしている、モニターは煙を上げ続けている、まるで何度も蘇生させるみたいな作業だ、蘇生させるのに作業が必要だということは、どっちにしたって手遅れはすぐそこまで来てるのかもしれないな…オレはもう一度冷蔵庫を開ける、冷蔵庫の中にもう冷えたミルクはない(ゼロだ)、喉の渇きを癒してくれるものはそこにはもう何もなかった、オレは蛇口に口をつけて水道の水を飲む、水道の栓をひねり過ぎて犯されているみたいな気分になる、そんなイメージは渇きを癒す役には立たない、オレは両手で蛇口を掴み、渾身の力を込めてそれをひん曲げる、根元のボルトが外
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