三回目の女/はだいろ
も。
だから、それを、
38歳のあの女の人と、くらべるつもりはない。
でも、
もらったチョコをふたりでつまみながら、
(もちろん、
わざと、ひどいまねをしてみているのだ)
波長の合わない人と、
果たして、
付き合ってもいいものだろうか。
と考える。
デリヘルの女の子と、真剣に考えるのだ。
考えてみれば、
世の中の夫婦の、
いったいどれだけが、波長が合っているというのだろう。
おたがい、
ラジオのつまみを右に左に回すように、
アンテナをのばしたりちぢめたりするように、
なんとか、
お互いのこころの内に、
耳を澄ませているだけなのかもしれない
そうかなあ。
って、
19歳の女の子は首をかしげた。
黒目がくろぐろと大きく、
ぼくは目があうと、
すこし照れてしまった。
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