気球/ああああ
一名、『飛び出せ!自殺衝動。』
教室ににわとりが入ってきたことがある。クラスのみんなはちょっとしたパニックになった。先生は「大丈夫だから、気にしないで」というような言葉をくり返していたけど、みんなは席から立ち上がってワーワーいいながら小走りで教室の隅のほうへ固まった。ぼくは飼育委員でいつもにわとりの世話をしていたので、にわとりのあつかいには自信があった。なんでみんながそんなにあわてているのか、ぼくにはわからないよ、とでもいうような感じにぼくはにわとりをつかまえて、「これどうしますか?」と先生にきいた。先生は「にわとり小屋にいれてきてくれるかな」といった。このにわとりが学校のにわ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)